ローグ・クローンII日本語版について

Rogue Clone II

このページは、本作品「ローグ・クローンII日本語版」についての説明となります。

「ローグ・クローンII日本語版」 全ソースコード
https://github.com/suzukiiichiro/Rogue2.Official

本作品「Rogue Clone2 日本語版」は、

太田純氏の「ローグ・クローン2 日本語版1.3」、伊藤康史氏の「データ分離版ローグ・
クローンII」、FUNABARA Masao氏の「rogueclone2s」、 Naohiro Aota氏の
「rogueclone2s-utf8」を経た、ローグ・クローンII日本語版の最終バージョンです。

説明

rogueclone2s-utf8(データ分離版ローグ・クローンII  メンテナンスバージョンの
UTF-8版)は、ターミナルへの出力のみが UTF-8対応となっていました。本バージョンは、
ターミナルへの出力はもちろん、メッセージファイル、ソースコードなどすべての処理
と資源がUTF-8に対応した「ローグ・クローンII日本語版」となります。

世界のRogueアーカイブ 多分世界一のRogueアーカイブとなります

https://github.com/suzukiiichiro/Rogue_Archive.Official

Rogue(ローグ)について

ダンジョンRPG.地下27階にある宝「イェルダーの魔除け」を地上に持ち帰るのが目的。
ダンジョンは冒険にでるたびに違い、セーブは不可能。 主人公にあるステイタスはHP
と空腹度だけ。ローグで最も恐ろしいのは餓死である。とにかく食料をめざしてダンジョ
ンを歩くのである。

                               ------------
                               |.....!....|
                               |..@.......|
             ##################+.........:|
             #                 |...%.H....|
             #                 ------+-----
             #
          ---+---
          |.....|
          |.?...|
          |.....+######        ---------+----
          -------     #        |............|
                      #        |............+
                      #########+..........^.|
                               |............|
                               --------------

Rogueとは

http://fairygam3.appspot.com/game/rpg/rogue.html
 ローグと言えばコンピューターRPGの3大始祖である「Rogue」、「Ultima」、
「Wizardry」と並ぶ内の1つで、古のRPGです。初代ローグは1980年頃にBSD Unixで公
開された後、一旦はソース紛失。しかしそのあまりの面白さに、他のプレイヤーが1か
ら作りあげた上にほぼ完全に再現されたクローンがオープンソースで出回りました。
ちなみに今作はMS-DOS版の「データ分離版ローグ・クローンII」の移植作です。(その
後本家ソースが見つかり、現在では復刻版も公開されてはいますが、結局クローン版
の方が主流になってしまいました)

 プレイヤーはダンジョンに潜り、地下26階以下にある「イェンダーの魔除け」を入手
して無事帰還する事が目的なのですが、文字通り「生きてイェンダーの魔除けを入手し
て帰還する」か「死んで全てを失う」かしかありません。死ぬとそのままゲームが終了
し、所持アイテムや経験値などのデータは全て消えます。このシビアさがローグ最大の
特徴であり魅力の1つとも言えます。

 ダンジョンは自動生成され、リプレイ性に富んでいます。ある程度の法則はあります
が、落ちているアイテムや出現する敵がその都度変わるので、こうすれば確実にクリア
出来るといった完全攻略法が存在しません。もちろん運の要素もありますが、クリアす
る為にはダンジョンやモンスターやアイテムについての知識と経験が必要不可欠です。

 まだ文字だけの時代に視覚的な情報を表現しようとしたそれはアスキーアートのよう
な体裁をしており、初めて見る方にはバグか暗号のようなものにも見えるかもしれませ
ん。しかしいざプレイしてみると、視覚情報が少ないからこそ想像力が掻き立てられ、
深い味わいがあるという意外な事実に気付かされるはずです。

 真のRPGを追求する方、難易度は高いに越したことはないと考えている方にお勧めの作
品です。

 ローグは知らなくても「風来のシレン」や「トルネコの大冒険」なら知っている方は
多いかと思われます。何を隠そう私自身もシレンで育った世代でありまして、この手の
タイプはそれなりに出来る自信があったのですが、いざプレイしてみるとコマンドが複
雑すぎて挫折しました。しかし、しばらくすると何故か無性にダンジョンに潜りたくなっ
てしまうんですよね。あれは一体何なんでしょうか。そうこうしている内にコマンド操
作にも慣れてしまい、本格的に攻略に乗り出してからはのめり込みました。

 このコマンド操作というのが曲者で、覚えて自由に動けるようになるまでが大変です。
更にその先にあるのがローグ自身が持つ難しさときているもんだから昨今のカジュアル
ゲーマーならまず泣いて逃げ出すレベルだと言って間違いありません。しかしそこを乗
り越えれば生と死が隣合わせのスリル溢れるダンジョン探索の日々が待ち受けています。

 今作はメッセージ分離版をベースに作られているのでメッセージファイルを入手する
事で一風変わったローグをプレイする事も出来ます。興味がある方はいろいろ探してみ
るのもいいかもしれません。

 またローグには派生作品が数多く存在し、それらは皆「ローグライク」という名で呼
び親しまれています。有名所では「NetHack」や「Angband」、「Dungeon Crawl」などが
あり、どれもローグのシステムをベースに独自の世界を展開させていてお勧めです。

 完成されたシステムとゲームバランスは他の追随を許さず、登場から長い年月を経て
して尚存在感がある上に、オープンソースでフリーゲーム。正にRPGの金字塔と呼ぶに相
応しい作品と言えるでしょう。

Rogueの歴史

・Rogue 3.6
Tim Stothr(原作)
ローグ (Rogue) は、ダンジョン探索型のコンピュータRPGである。その初版が公表され
たのは1981年とコンピュータRPGの黎明期であり、世界初のコンピュータRPGともされる。

・Rogue 5.2
 1984年誕生。
 AT&T Bell研究所(オリジナルのUNIXを作っていた所)で 作られました。
 UNIX の総本山でも rogue をプレイしたかったのか、それともユーザの要求に答えた
か、どちらにしても興味深い事です。

・Rogue 5.4
UNIXに添付されたRogueの最終バージョンです。本来Rogue 5.3として出されていたものです。

・Rogue 5.4p
上記のRogue5.4に対して、IBM-PC版やNEC PC-x801版風にプレーできるオプションをたく
さん独自に拡張したのがこれです。

・Rogue 5.4x
IBM-PC版やNEC PC-x801版風にプレーできるオプションをたくさん独自に拡張した。

・Rogue Clone
Tim Stothr(原作 & クローン原作)
 1987年誕生。オリジナル rogue の作者が、新しく作り直し、ソースとともに公開した
rogue です。  普通、我々の見る rogue と言うと、これを指すはずです。

・Rogue Clone 2
 1999年、電脳なんでも屋(風桜へぽぽ)が配信。
「Rogue Clone(1987年)」の日本語版としてWindowsへの移植版。
「2」とあるが、日本語版を出したときに「2」と付けたとのこと。

1987年(株)リコー ソフトウェア事業部
太田純氏の「ローグ・クローン 日本語版1.3(白黒)」
NEC PC98に移植

1989年
太田純氏の「ローグ・クローン2 日本語版1.3(カラー)」

1992年 京大マイコンクラブ
伊藤康史氏の「データ分離版ローグ・クローン2」
テキストデータ部分を分離

FUNABARA Masao氏の「データ分離版ローグ・クローン2s」(rogueclone2s)
メンテナンスバージョン

Naohiro Aota氏の「データ分離版ローグ・クローン2s UTF-8」(rogueclone2s-utf8)
ソースコードとmsgファイルはeuc 描画はUTF-8に対応

鈴木維一郎による 「ローグ・クローンII日本語版」
出力と資源のすべてをUTF-8化 Linux/UNIX/Macに対応

インストール方法

< もっとも簡単なインストール方法

% bash MAIN.SH

実行方法

% ./rogue mesg.utf-8 ;

< 難しくかんがえたい人むけ
このパッケージからプログラムをインストールするためには、ソースのコンパイルが必要です。
コンパイルするには、以下のように入力してください。( %はプロンプトを表す)

git をインストールして下さい。
Mac系

% brew install git 

Githubから本ソースコードをダウンロードします

% git clone https://github.com/suzukiiichiro/RogueClone2s-UTF8_JP.git

ディレクトリに入ります。

% cd RogueClone2s-UTF8_JP

コンパイルします。

Linux系 ————————————

% ./configure ;
% make clean ;
% make ;

srcディレクトリ内にrogueファイルが生成されます
srcディレクトリ内のrogueファイルを手元にコピーします

% cp src/rogue . ;
% ./rogue mesg ;

Mac系 ————————————

% ./configure CFLAGS="-g -O2 -w -Wno-return-type" LDFLAGS="-lcurses -liconv";
% make clean ;
% make ;

srcディレクトリ内にrogueファイルが生成されます
srcディレクトリ内のrogueファイルを手元にコピーします

% cp src/rogue . ;
% ./rogue mesg ;

コンパイルが無事に終了すればインストールが可能となります。インストールするには、
以下のように入力してください。

% su
% make install

ゲームの仕方

このゲームはデータが分離しているので、そのファイル名を引数として与え
る必要があります。

例: rogue mesg

その他、オプション -s (スコアを見る) あるいはセーブファイルの指定な
どは、メッセージファイルの後に与えます。

例: rogue mesg -s
rogue mesg savedfile

歴史1

http://lv1uni.web.fc2.com/wands/rogue.html lv1uni(レベルいちうに)様

1986年前後、パソコン通信がようやく300bpsから1200bpsに切り替わりつつあった時代。
バークレイ版UNIXに、unixvimエディターのカーソル移動hjklキーの運指練習用として添
付されてきたテダンジョンRPGゲームがrogueである。配布条件はGNU準拠のフリーウェア
だ.

無料開放された第1期アスキーネットで、rogueはオンライン ゲームとして公開されて
いた。今と違いUNIXマシンなどめったにみかけない 当時、多くの人のrogue初体験はこ
のアスキーネットだ。

1987年5月ニフティサーブスタート。FPLのSYSOPヤン・ウェンリー(もちろんハンドル名
だ) 氏に、初めてunixのローグの存在をきいた私。職場の茶箱5個ぶんのミニコン
VAX11/750のunixで早速やってみて、見事にはまる。しかしバークレイ版に添付されたロー
グは、プレイ時間が長いと、画面が凍り付くという重大なバグをかかえていた。

1988年前後、MS-DOS版のローグクローンが公開、これがみんなのローグだ。1986年頃、
アメリカのパケット通信網USENETをまねた日本語のUNIX中心の パケット通信網junet
(現在のインターネットnews)が実験的に始まった。 企業と大学のみの参加可能の公的
ネットであるにもかかわらず、遊び感覚の ソフトも配布される、自由なネットであった。

1988年頃、junetで、ある記念碑的ソフトウェアが公開される。リコーの太田氏による
「ローグ・クローン」である。MS-DOS(PC98用)で動くローグだ!しかもコメントが 日本
語ででる。そして…あのunixローグの画面凍り付きバグはなかった。

このローグの魅力を多くの人に広めるべく、太田氏に許可をとり、FSPACE(天文の フォー
ラム)とFSDR(現在のFGALの前身、自作フリーソフトのフォーラム)に登録。 またたく
まに数百のダウンロード数をえる。このローグクローンはたしか、配布条件が GNU準拠
(ソース添付、配布制限なしをコンセプトとしたフリーソフトウェア。 今のフリーソフ
トウェアやPDSの思想の元となったもの)であった。 なつかしい響きである。

この白黒のローグクローンは、原作以上の評価をえるが、その翌年、さらに太田氏は カ
ラーの「ローグクローン2」をjunetで発表した。スピードと操作性がよくなり、 なん
といっても色がついてみやすい。これが現在もインターネット上で配布や 公開がされて
いる、みんなのスタンダード版「ローグ」である。 ローグクローン2も、許可をもらっ
てFSPACEとFSDRに登録、絶対大人気まちがいなし のソフトの登場に、FSDRのSYSOP三木
氏と私は大喜びしたものである。

それ以来、ローグの日々となった。当時学生だった妹もはまり、彼女は文系で コンピュー
タは素人だったが、hjklキーの運指は完璧となった(^^;)。 会社の昼休みにローグ、家
にかえってからもローグ。私は1991年に結婚したのだが、 PC98を嫁入り道具にもっていっ
てローグ...

ローグ風のゲームというのも、色々フリーででてきていた。有名なのは ネットハックな
ど。しかしやっぱり、原作ローグがシンプルで何度やっても あきないのである。

1994年ごろにはWindows時代到来。あるときVisual Basicをやらなくては ならなくなり、
Windows機を購入。ローグは??と心配したのだが、 ローグクローン2はPC98のMS-DOS
用と銘打たれていたが、純テキストベースの せいか、DOS/Vでもそのまま動作したので
ある。よかったよかった。

歴史2(Mac OS Xへの移植をされた後藤寿庵 (id:juangotoh)様)

https://juangotoh.hatenablog.com/entry/2016/06/05/202100

太田純さんの日本語Rogueオリジナル版をやりたい

 Rogueというゲームを知ってるだろうか。1980年にBSD UNIX上で開発された最初期のコ
ンピューターロールプレイングゲームである。cursesというテキスト画面制御ライブラ
リを使い、主人公の移動がHJKLキーで左、下、上、右、viテキストエディタと同じであ
る。なのでこれはviの練習用とか言われてた。どうももっと単純な話で、当時のコンピュー
ターを操作する端末にはカーソルキーがなく、HJKLのキーに上下左右の矢印がプリント
されてたので、エディタのカーソル移動もRogueの上下左右移動もHJKLを使ったらしいの
だが………
 このゲームはダンジョン探索RPGであり、ゲームを始めるたびに乱数でダンジョンを生
成していた。のちの「不思議なダンジョン」シリーズはRogueをゲーム機用にリファイン
したものだ。

 で、Rogueのオリジナル版はBSD UNIXと一緒に配布された。そのせいで初期に普及した
BSD UNIXにはこのゲームがもれなくついてきた。DECのVAX11で動いていた初期のパソコ
ン通信ホストであるASCII NETではユーザーがこのRogueを遊ぶことができた。ただしメッ
セージが完全に英語だったので、本当に楽しく遊べた人はそれほど多くなかったと思う
が。僕も1980年代当時、これを遊んですぐ死んで「なんだこれは」と思った物である。

 さて、このRogue、ソースコードは非公開だった。作者達はIBM-PCなどのパソコン用に
Rogueを移植して商売をはじめた。一方、ソースをもらえなかったBSDはOSの改良をする
うちRogueの配布をしなくなる。でもBSDユーザーはRogueの魅力にはまってたので、その
うちフリーでRogueを実装しようという人が現れる。ソースがないのでゲームの動作を見
て一から再実装されたのがRogue Clone。このバージョンアップ版 Rogue Clone II のメッ
セージを日本語化したのがリコーの太田純さんだ。太田さんのMS-DOS版「日本語ローグ・
クローン2」がパソコン通信を通じて大ヒット。これはエスケープシーケンスを使用し
た着色もなされていた。壁がシアンなのが特徴である。

MS-DOS版は64ビットWindowsで動かないので、Win32版。ちなみに僕はMacOS Xにこの日本
語版を移植したことがある。PPC Carbon版だけど、Intel向けにコンパイルすればいまで
も動くんだろうか………いろいろあって手元にソースもバイナリも残ってないのだけど、
今でもインターネットアーカイブからダウンロードできるっぽい
https://web.archive.org/web/20071211063524/http://www.juangotoh.com/node/86

 さて、いつだったかこの日本語Rogueが、あくまでRogue Cloneの日本語版であり、
ASCII NETで遊べたオリジナルRogueではないという話が出たことがある。オリジナル版
とクローンではいろいろ違いがあり、オリジナル版の方がやたら暗黒の部屋があったり
厳しかったとかいう話も出てたと思う。場所はNIFTYだったかfjだったか。太田さん本人
が「オリジナルRogueのソースがあったら日本語化したい。ずっと探してるんですけどね
え」みたいな事を語っていたのだ。

 その後、海外でオリジナルBSD版Rogueのソースが再発見され、現代のコンパイラでコ
ンパイルできるように修正するなどの活動がなされるようになった。

これを太田さんが日本語化してくれないかと思っているのだが、いまのところそのよう
な動きはない。
「おや、なんて甘いこけももだ」をもう一度見たいのだが………

運命の洞窟へのガイド

運命の洞窟へのガイド
          Michael C. Toy
          Kenneth C. R. C. Arnold
          Computer Systems Research Group
          Department of Electrical Engineering and Computer Science
          University of California
          Berkeley, California 94720

概要
ローグは、UNIX†タイムシェアリングシステムで動作する、ビジュアルファンタジーゲー
ムである。いかにローグをプレイするかを記述する事で、運命の洞窟で迷ってしまうか
もしれない者達へ、いくつかのヒントを与えよう。

1. 導入
君は、地元の戦士ギルドを卒業したところだ。多くの汗と訓練の後、危険な冒険に出る
事ができるようになった。君のスキルを試すテストとして、地元のギルドマスターは君
を運命の洞窟へと送り込んだ。君の仕事は、イェンダーの魔除けを持って生きて帰って
くる事だ。この仕事をやり遂げた暁には、地元ギルドの完全な会員資格を得るだろう。
加えて、洞窟から持ち帰った盗品を全て自分の物にする事さえできるのだ。

君は旅立ちに備えて、魔法をかけた棍棒、弓、そして遙か遠くの暗い山に棲むドラゴン
の秘蔵から取れる矢の束が与えられる。更に、エルフの鎧と、洞窟にたどり着くために
充分な食料を用意される。君は家族や友人達に最後の別れを言い、道を進める。

君は洞窟へと旅を続け、数日の後に運命の洞窟の入り口と書かれた古ぼけた廃墟を見つ
ける。夜も遅いので、君は入り口でキャンプを張り、大空の元で眠りに落ちる。朝には
君は武器や防具、最後に残った食料をまとめて、洞窟へと入っていく。

2. ここで何をすればよいのか?
君はローグのゲームを始めたところだ。君の目的は、持てる限りの宝物を携え、イェン
ダーの魔除けを見つけ、運命の洞窟から生還する事だ。画面には、君がどこにいるかを
示すマップと、今いる洞窟の階で何を見つけたかが常に表示されている。その階の探検
が進んだ分だけ、君の前のスクリーンに現れてくる。

ローグはスクリーンを重視するという意味で、多くのコンピュータファンタジーゲーム
とは異なっている。コマンドは全て1つないしは2つのキーストローク1で、そのコマンド
の結果は言葉で説明するよりもむしろ、スクリーンで視覚的に表示される。

ローグと他のコンピュータファンタジーゲームとで、大きな違いがまだまだある。標準
的なファンタジーゲームが、いったん全ての謎を解いてしまうと面白さが失われ楽しめ
なくなってしまうのに対し、ローグはプレイする度に新しい洞窟が生成され、ローグの
作者さえも面白くてエキサイティングなゲームだと感じるだろう。

3. スクリーン上の物は何を示しているか?
ローグで何が起こっているかを理解するためには、君は最初にスクリーン上でローグが
何をしているかを掴む必要がある。ローグのスクリーンは、標準的なファンタジーゲー
ムの「君は~を見つけた」と言う記述に取って代わる物である。図1はローグのスクリー
ンのサンプルである。

____________________________________________________________


                        ------------
                        |..........+
                        |..@....]..|
                        |....B.....|
                        |..........|
                        -----+------



Level: 1  Gold: 0      Hp: 12(12)  Str: 16(16)  Arm: 4  Exp: 1/0

                            図1
____________________________________________________________


3.1. 最下行 スクリーンの最下行は、君の現在の状態を示す謎めいた情報を示している。
ここにその情報が意味する物を説明しておく:
 

Level この数値は、君が洞窟の地下何階まで下りていったかを示す。1階から始まって、
洞窟の奥深くに潜っていく。

Gold 君が見つけだして持ち運んでいる金塊の数。

Hp 君の健康(Health)ポイントの現在値と最大値。健康ポイントは死ぬまでにどれだけの
ダメージに耐えられるかを示す。君が戦いの中で傷つけば傷つくほど、この数値は下がっ
ていく。休憩する事で、健康ポイントは回復する事ができる。括弧内の数値は、君の健康
ポイントが到達できる最大値である。

Str 君の現在の強さと、強さの過去の最大値。これは3以上31以下の数値を取り得る。大
きい数値は、君が強い事を示す。括弧内の数値は、これまでこのゲームで達成した強さの
最大値である。

Arm 君の現在の鎧の防御力。この数値は、君の鎧が敵からの攻撃をどのくらい効果があるの
かを示している。数値が大きければ、鎧の効果が高い。

Exp この2つの数値は、君の現在の経験レベルと経験値を示している。経験を積む事で、
君は経験値を増やしていく。経験値がある一定の値になると、経験レベルが上がる。経験
を積めば積むほど、君はうまく戦い不思議な攻撃にも立ち向かっていけるようになってい
く。

3.2. 最上行 スクリーンの最上行は、視覚的に表せない事を、メッセージとして表示する
ために予約されている。もし最上行に「--More--」が出ていたら、これはローグが、別の
メッセージをスクリーンに表示したいのだが最初にそこに出ているメッセージを君がもう
読んだかどうかを確認したい、と言う事を示している。次のメッセージを読むには、スペー
スキーを押しさえすれば良い。

3.3. スクリーンの残りの部分 スクリーンの残りの部分は、君がこれまで探検してきた階
の地図である。スクリーン上の個々のシンボルは、何かを表している。ここに種々のシン
ボルが何を示すかのリストを掲げる:

@       Rogue. このシンボルは君、冒険者を示している。
-|      Wall. これらは部屋の壁を示している。
+       Door. 部屋から/へのドア。
.       The floor of a room.
#       Floor. 部屋の床。
*       Gold. 金塊の山、壺。
)       Weapon. ある種の武器。
]       Armor. 1つの鎧。
!       Potion. 魔法の薬の入ったフラスコ。
?       Scroll. 1枚の紙切れ。たいていは魔法の巻物。
=       Ring. 魔法の指輪。
/       Staff, Wand. 魔法の棒、杖。
^       Trap. 罠、これには気を付ける事。
%       Staircase. 他の階への階段。
:       Food. 食料。
A-Z     Monster. 大文字は、運命の洞窟に住む様々な住民を表す。奴らは厄介で凶暴だ。気
を付けろ。

4. コマンド ローグへのコマンドは、1つないしは2つの文字をタイプする事で行える。大
抵のコマンドは繰り返しのカウントに続ける事ができる(「10s」とタイプすると、10回
S(Search、探す)を行う)。カウントが意味をなさないコマンドは、カウントが無視される。
カウントや接頭辞をキャンセルするには、[Esc]をタイプすればよい。コマンドのリスト
はかなり長いものだが、ゲーム中に「?」コマンドでいつでも読む事ができるようになっ
ている。それぞれのコマンドを、簡単な説明をつけて掲げておくので、参照して欲しい。
 
?  ヘルプコマンド。どの文字についてのヘルプが必要なのかを聞いてくる。「*」をタイ
プすると総てのコマンドについてのリストを表示する。それ以外の文字であれば、タイプ
した文字についての説明を表示する。

/ これは「スクリーン上のこれは何だ」コマンドである。「/」に続けて画面上見る事の
できる任意の文字をタイプすれば、それが何なのかを表示する。例えば、「/@」とタイプ
すれば、シンボル「@」が君、すなわちプレイヤーである事を表示する。

h, H, ^H(「^」は[Ctrl]を押しながら、の意)
左へ移動。君は、1文字分左へ移動する。もし君が大文字の「H」を使うなら、何かにぶつ
かるまで進み続けることになる。この仕組みは総ての移動コマンドに当てはまる(「L」は
「l」方向に走る事を意味する)。もし[Ctrl]「h」とするなら、何か興味深いものの側に
来るか、壁にぶち当たるまで、指定の方向に移動し続けるだろう。これは非常に有用なコ
マンドであるが、説明も非常に難しいものであるので、君は実際にやってみるべきである。
これも総ての移動コマンドで同じように当てはまる。

j   下へ移動。
k   上へ移動。
l   右へ移動。
y   斜め左上へ移動。
u   斜め右上へ移動。
b   斜め左下へ移動。
n   斜め右下へ移動。

t throw something. ものを投げる。これは接頭辞命令だ。続けてものを投げる方向をタ
イプすると、指定の方向に投げられる(「th」とタイプすると、何かを左へ投げる)。

f fight till death or near death. どちらかが死ぬまで戦う。続けて方向をタイプする
と、君かその方向にいる生き物かのどちらかが相手を殺るまで、強制的に戦わせる。

m move onto without picking up. 何かの上に乗って、それを拾わない。これは指定した
方向に1文字分移動するが、拾えるものが何かあったとしても、拾わずに移動すると言う
意味である。

z zap a wand in a direction. 攻撃の接頭辞。魔法の棒や杖を指定方向に向け、一撃を
お見舞いする。無指向性の棒もあるが、それでも方向の指定は必要である。

^ identify trap type. 罠を確認するコマンド。マップ上に罠があり、それがどんな種類
の罠だったかを思い出せない場合に、ローグを罠の隣に移動させてから「^」に続けて罠
の方向をタイプする事で、思い出させる事ができる。

s search for trap/secret door. 罠や秘密のドアを探す。罠や秘密のドアを探すために、
即座に隣接した総ての場所を調べる。たとえ何かがそこにあったとしても君がそれを見
つけ出せる確率は非常に低く、見つけ出すまでに何回も捜索を繰り返さねばならないで
あろう。

 go down a staircase. 次の階への階段を下りる。当たり前の事ではあるが、階段の所に
立っている時しか下りる事はできない。

< go up a staircase. 次の階への階段を上る。イェンダーの魔除けを所有していない者は、
上る事ができない。

.  rest for a turn. 休憩。これは「何もしない」コマンドである。待つことと回復するた
めに使える。

, pick something up. 何かを拾う。現在、少しでも何かの上に立っているならば、何でも
拾い上げる。

i inventory. 持ち物のリスト。荷物の中に入れて運んでいる者総てのリストを表示する。

I inventory single item. 選択的持ち物リスト。荷物の中のいずれか1つについて表示す
る。

q quaff potion. 荷物に入れている魔法の水薬の1つを飲む。

r read scroll. 荷物に入れている巻物の1つを読む。

e eat food. 荷物に入っている食料を食べる。

w wield a weapon. 武器を装備する。荷物から武器を取り出して戦えるように装備する(も
し既に武器を装備していたなら、それと取り替える)。

W wear armor. 鎧を着る。一度に1つの鎧を着る事ができるだけである。これには時間がか
かる。

T take armor off. 鎧を脱ぐ。鎧が呪われている場合、脱ぐ事ができなくなる。脱ぐ際も
時間がかかる。

P put on ring. 指輪をする。一度に2つの指輪をする事ができるだけである(片方の腕に1
つずつ)。もし君が1つも指輪をしていない場合、このコマンドはどちらの手に指輪をす
るのか聞いてくる。さもなければ、プログラムは君が右手に武器を持っているものと仮
定して、使っていない左手にする事になる。

R remove ring. 指輪を外す。1つしか指輪をしていないなら、このコマンドはそれを外す
だけだ。もし2つの指輪をしているなら、どちらを外したいのか聞いてくるだろう。

d drop object. 物を落とす。荷物から何かを取り出し、それを床に置く。1カ所には1つの
物しか置く事はできない。君が装備したり着ていたりする呪われた物は、落とす事がで
きない。

c call object. 物に名前を付ける。荷物の中である種のそれが何であるのか覚えておきた
い物があるのなら、このコマンドで名前を付けてやる事ができる。通常、魔法の水薬や
巻物、指輪が何であるのかが分かったとき、あるいは装備していた武器がどれであった
か覚えておきたいときなどに使われる。

D recall what's been discovered. 既に発見した物を表示する。このコマンドは、どのタ
イプの物に興味があるのかを尋ねてくる。その種の物を示す文字をタイプ(水薬なら「!
」など)すると、既に発見した(既に何であるのかが分かっている) その種の物が何であ
るのかを表示する。このコマンドは魔法の水薬や巻物、指輪、棒、そして杖に対して表
示する。

o examine/set options. オプションの設定を表示したり再設定する。このコマンドはオプ
ションに関する別のセクションで詳しく説明する。

^R redraw screen. スクリーンを再表示する。何らかの理由で画面表示が変になった場合に
役立つ。

^P repeat last message. 最後に表示したメッセージを再表示する。読む前にメッセージが
消えてしまった(消してしまった) 場合に役立つ。単に最後のメッセージを表示し直すだ
けであり、ミスタイプして失った何かを取り返せるという物ではない。

[Esc] cancel command. コマンドや接頭辞、カウントをキャンセルする。

!  shell escape. コマンドプロンプトに抜ける。「exit」とタイプすれば、ローグに復帰
する。

Q quit. 終了。ゲームをセーブしない。

S save game. 現在のゲームをファイルに保存する。デフォルトのファイル名で保存して良
いか聞いてくる。警告ローグはセーブしたゲームをコピーさせない。セーブされたゲー
ムを始めると同時にローグはセーブされたファイルを消してしまう。これは、危険な状
況下で保存しておき、死んでしまったら何度もやり直すという事を避けるためだ。セー
ブされたゲームを始めるには、そのファイル名をローグに引数として与える必要がある。
例えば、次のように。

% rogue save_file デフォルトのファイル名でセーブした場合は、次のようにすればよい。

% rogue -r v print version number. プログラムのバージョンナンバーを表示する。

) print current weapon. 君が現在装備している武器を表示する。

] print current armor. 君が現在着ている鎧を表示する。

= print current rings. 君が現在している指輪を表示する。

@ print current stats. 現在の状況を最上行に再表示する。

5. 部屋
洞窟にある部屋には、明るい部屋と暗い部屋とがある。明るい部屋に入ったなら、入る
と同時に部屋の総てがスクリーンに表示される。暗い部屋では、君が探検した部分だけ
が表示される。部屋から出ると同時に、総ての怪物はスクリーンからは消え失せる。暗
闇では、君は自分の周りの1文字分の場所しか見る事はできない。通路は常に暗い状態で
ある。

6. 戦闘
怪物に出会って、戦おうと思うなら、そいつにぶつかっていくだけで良い。君が攻撃を
仕掛けない限り、寝ていたり何もしてこない怪物は結構いるものだ。君子危うきに近寄
らずとはよく言ったものだ。

7. 洞窟で見つかる物
洞窟で何か見つけたら、拾いたくなるものだ。ローグでは、その物の上を歩くだけで拾
う事ができる(君が接頭辞「m」を使っていない限りは)。物を持ちすぎている場合、拾え
ない事を表示し、実際に拾わない。そうでない場合は、拾った事を表示し、荷物に加え
るであろう。

物を操作する多くのコマンドは、どれを使いたいのかと言うプロンプトを出す。気が変
わって、結局そのコマンドを使いたくないのであれば、[Esc]キーをタイプすればコマン
ドが中止される。

鎧や武器は簡単に区別が付く。しかし、魔法の巻物や水薬は、種類によって異なる訳の
分からないラベルが貼ってあるだけだ。ゲーム中、同じラベルの物を見つけたら、それ
は同じ物である。しかしながら、ゲームを再度やり始めると、ラベルは変わってしまっ
て何か分からなくなる。

君がラベルの付いたものを使い、その効果が明らかな場合、ローグは君のためにそれが
何であるかを覚えていてくれる。はっきりした効果が無い場合には、後で君が分かるよ
うに何かメモをしておくかどうか問われる事になる。「C」コマンド(上記参照)で名前を
付けてやる事もできる。

7.1. 武器
ある種の矢のような武器は束になっているが、大抵の武器は1つずつ落ちている。武器を
使うためには、君はまず装備する必要がある。弓から矢を放つには、君はまず弓を装備
した上で矢を射なければならない。君は一度に1つの武器しか装備する事はできないし、
もし装備した武器が呪われていたりするとそれを取り替える事ができなくなる。武器を
使うコマンドには、「w」(wield a weapon/装備)と「t」(throw something/射る、投げ
る)がある。

7.2. 鎧
洞窟には様々な種類の鎧が横たわっている。ある物は魔法で祝福されており、ある物は
呪われ、またある物は特にどちらでもない普通の状態である。鎧の種類が異なれば、鎧
の防御能力も変わるものだ。鎧の防御能力が高いほど、怪物からの打撃に対してより守
れるようになる。ここに様々な鎧の種類と、それらの通常の防御能力のリストがある:

種類保護能力
None (無し)0
Leather armor (革の鎧)2
Studded leather / Ring mail
(鋲付きの革の鎧 / 環状鎖帷子)3
Scale mail (鱗状鎖帷子)4
Chain mail (鎖帷子)5
Banded mail / Splint mail
(帯状鎖帷子 / 重ね札鎖帷子)6
Plate mail (鋼鉄の鎧)7
 

鎧が魔法で祝福されている場合、その鎧の防御能力は通常よりも高くなる。鎧が呪われ
ている場合、防御能力は下がり、しかも君はそれを脱ぐ事ができなくなる。しかしなが
ら、通常より防御能力の低い鎧の総てが呪われているという訳ではない。

鎧を使うコマンドには、「W」(wear armor/着る)と「T」(take armor off/脱ぐ)がある。

7.3. 巻物
巻物には訳の分からない言葉3のタイトルが書かれている。いったん巻物を読んでしまう
と、きみの荷物から消滅してしまう。巻物を使うコマンドには、「r」(read scroll/読
む)がある。

7.4. 水薬
水薬はフラスコに入っていて、液体の色を書いたラベルが張ってある。これも飲むと消
滅してしまう。水薬を使うコマンドには、「q」(quaff potion/飲む)がある。

7.5. 棒と杖
棒や杖にはいくつかの種類がある。棒は木の種類で、杖は金属か骨の種類で区別できる。
通常、遠く離れた物に対して作用させるので、君は効果を与えたい物に向けて使わなけ
ればならない。しかしながら、いくつかの棒は示した方向には無関係に作用するのだが。
棒にはいくらかの魔法の弾が込められており、その数はランダムである。魔法を使い切
ると、杖は単なる木や金属になってしまう。

棒や杖を使うコマンドには、「z」(zap a wand in a direction/攻撃の一振り)がある。

7.6. 指輪
指輪は、水薬や巻物、棒などの一時的な効果とは異なり、永久的な魔法の効果をもたら
す、非常に有用なアイテムである。もちろん、悪影響をもたらす指輪も強力である。大
抵の指輪は、しているだけでより速く空腹になる。その速さは指輪の種類による。指輪
は、付いている石や宝石の種類で区別される。指輪を使うコマンドには、「P」(put on 
ring/する)と「R](remove ring/外す)がある。

7.7. 食料
食料は君が生きていく上で必要な物だ。もし余りに長く何も食べないでいると、君は気
絶し、最後には餓死するだろう。食料を使うコマンドには、「e」(eat food/食べる)が
ある。

8. オプション
個人の様々な好みやローグのやり方の違いに合わせるために、様々な方法でローグを操
るオプションを選ぶ事ができる。

8.1 オプション設定
オプションを設定するには2つの方法がある。1つめはローグをプレイ中に「o」コマンド
を使う事、2つめは「ROGUEOPTS」環境変数を使う事である。

8.1.1. 「o」コマンドを使うには
ローグをプレイ中、「o」をタイプすると、スクリーンが消え、総てのオプションについ
て現在の設定が表示される。カーソルが最初のオプションに移動し、君が何かタイプす
るのを待っている。[Enter]をタイプすると次の項目へ移動し、「-」は前の項目へ移動、
[Esc]はゲームに戻る事を意味し、もちろんオプションの値を入力する事もできる。真か
偽かの2値を取るオプションでは、単に真なら「t」、偽なら「f」をタイプするだけでよ
い。文字列が必要なオプションの場合、新しいデータを打ち込んでから[Enter]をタイプ
すればよい。

8.1.2. ROGUEOPTS変数を使うには
ROGUEOPTS変数は、種々のオプションの初期値のリストを、コンマ区切りで文字列にした
物を含んでいる。真偽2値を持つ変数は、その名前でオン、前に「no」を付けた名前にす
るとオフになる。この様にして、jump(ジャンプ)をオンに、terse(簡潔)をオフ、name
(名前)を「Blue Meanie」にするROGUEOPTS変数の設定には、コマンドを次のように使え
ばよい。

% setenv ROGUEOPTS "jump,noterse,name=Blue Meanie"4

8.2. オプションのリスト
ここに、オプションのリストと、それぞれが何であるかの説明を用意した。それぞれの
デフォルトの値は、カギ括弧で括ってある。オプションの文字列は、50文字を超えると
無視されてしまうので気をつける事。

terse [noterse] (簡潔)
ローグから時折出される長いメッセージに疲れてしまう者にとっては有用だろう。これ
は非常に遅いターミナルでプレイする際に有用なので、1200ボー以下の遅いターミナル
ではterse(簡潔)がデフォルトになる。

jump [nojump] (ジャンプ)
このオプションをセットすると、走る際、途中は表示せずにいきなり最終点に到達する
ようになる。これはCPUと表示の時間をかなり節約できる。遅いターミナルでプレイする
場合にはjump(ジャンプ)がデフォルトになる。

flush [noflush] (フラッシュ)
総ての先行入力は、1ターンごとに捨てられる。遙か前にタイプしていたのが活きていて、
それが故にBatなんかに殺されてしまうと言うような事をがっかりしながら見ているよう
な者には、有用であろう。

seefloor [seefloor] (床を見る)
暗い部屋では君が移動する際、君の周囲の床を表示する。キャラクタをたくさん表示し
なければならないので、遅いターミナルを使っている場合には、デフォルトで
noseefloor(床を見ない)になる。

passgo [nopassgo] (通り過ぎる)
通路の曲がり角で自動的に曲がる。君が通路を走っていて石や壁にぶつかったとき、ロー
グが左右に曲がれるかどうか確認するだろう。もし一方にしか曲がれないなら、そのよ
うに曲がる。もしどちらへも行ける、もしくはどちらへも行けない場合、立ち止まる。
このアルゴリズムは、時々わずかではあるものの混乱の元になる。それが、nopassgoが
デフォルトにしてある理由の1つである。

tombstone [tombstone] (墓石)
もし君が死んでしまったとき、最後に墓石を表示する。これは素晴らしいのだが、動作
が遅いので、好みによっては表示しないようにもできる。

inven [overwrite] (持ち物のリスト)
持ち物リストのタイプ。これは次の3つの内、1つを選べる: overwrite(上書き)、slow
(低速)、clear(クリア)。overwrite は、持ち物のリストコマンド「i」をタイプしたと
き、もしくは「どのアイテムを表示しますか?」という問いに対して「*」で答えたとき
など、マップの上の方の行を上書きして表示する。しかしながら、もしスクリーンの行
数よりもリストが長い場合、スクリーンはクリアされてしまう。slowは、スクリーンの
最上行だけを使って一度に1つのアイテムしか表示しない。そして、clearは、スクリー
ンをクリアした上でリストを表示し、洞窟の地図は後で再表示する。速度的な事を考え
ると、「行末まで消去」ができないターミナルのために、clearがデフォルトである。

name [account name] (名前)
これは君のキャラクタの名前だ。ベスト10に入った場合、この名前が使われる。

fruit [slime-mold] (フルーツ)
これには、君が食べるのが楽しみなフルーツの名前を入れるべきだ。ローグはfoodでは
なく時折これを見つけるが、それは基本的には単なる気まぐれである。

file [~/rogue.save] (ファイル名)
ゲームをセーブしておくためのファイル名のデフォルト。何かの事故で君の電話が切れ
てしまった場合(訳者注:電話モデムを使っている場合を想定してるようだ)、ローグは
自動的にこのファイルにゲームをセーブしてくれる。ファイル名は、君のホームディレ
クトリ名に展開される特別なキャラクタである「~」で始める事もできる。

9. 得点
ローグは通常、君のマシンでトップスコアを出した者やそのスコアを保持している。設
定方法によって、トップスコアとトッププレイヤーの両方を掲載する事もできる。後者
の場合、そのマシンでの個々のアカウントに対してイェンダーの魔除けを取って戻って
来ていないものだけをリストにする事もできる。いくつのスコアが保持できるのかは、
君のマシンでインストールする者は誰でも、設定する事ができる。

君がゲームを途中で止めた場合、君の集めた金は無償のまま君の手元に残る。しかしな
がら、もし君が運命の洞窟で殺されてしまったなら、君の遺体は90%の金とともに近親
者の元に届けられる。と言うのは、金の10%は洞窟の魔法使いへの謝礼5として手渡され
るからだ。このことから、君は危機に瀕している際、最後の一撃を怪物にお見舞いして
生き残る可能性を期待するか、そこでゲームを途中で止めて金の全てを手に入れるかの
どちらかを選択しなければならない事になる。もし止めてしまえば全ての金を手に入れ
られるが、しかし戦って生き延びられれば更に多くの金を見つける事も可能だろう。

もし君が、現在のトッププレイヤー/トップゲームのリストを見たいだけなら、次のよう
にタイプすればよい。

% rogue54 −s

10. 謝辞
ローグは最初、Glenn WichmanとMichael Toyによって考案された。Ken ArnoldとMichael
 Toyはユーザインターフェースを取り払い、実にたくさんの新機能を加えた。アイデア
を出したり援助をしてくれたBob Arnold、Michelle Busch、Andy Hatcher、Kipp 
Hickman、Mark Horton、Daniel Jensen、Bill Joy、Joe Kalash、Steve Maurer、Marty 
McNary、Jan MillerそしてScott Nelsonに感謝の意を表したい。また、有り難くもロー
グをプレイするために仕事も学校も社会生活さえも無視し、我々にバグや不満、提案、
そして本当にプレーンな情熱を送りつけてきてくれた多くの者達へ感謝したい。そして、
母にも。

†UNIXはベル研究所の登録商標です。
1疑似英文と対照的に。
2スクリーンサイズは、最小でも24行80桁必要である。もしこれよりもスクリーンが大
きければ、24x80の部分だけがマップに使われる。
3実際、それは外蒙古で、ある種族の27人だけで話される方言である。しかし、それを
君が知っているとは思えない。
4ボーンシェルshを使う人は、この様なコマンドを使えばよいだろう。
$ ROGUEOPTS="jump,noterse,name=Blue Meanie"
$ export ROGUEOPTS
(訳者注) Windowsのコマンドプロンプトからは、次のようにすればよい。
set ROGUEOPTS=jump,noterse,name=Blue Meanie
5洞窟の魔法使いは、名前をウォリーと言う不思議なアナグマである。祈祷には多額の
寄付を必要とする。

書籍の紹介

Nクイーン問題(65) N25を解決!事実上の日本一に

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Nクイーン問題(64)第七章 並列処理 キャリーチェーン NVIDIA CUDA編

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